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源泉所得税の徴収について

2014/12/15

源泉所得税の徴収について

gensen

会社に勤めて給与をもらっている場合には、会社側で給与計算を行ってくれる為、銀行へ給与が振り込まれるのを待っていれば良いですが、株式会社を設立した後は、計算を行って支給にする側になります。
給与から天引きするものの一つに源泉所得税がありますが、この源泉所得税は従業員の給与のみでなく、外注先へ支払う場合でも発生していきます。

源泉所得税の引き忘れが無いように、ポイントを押さえましょう。

給与から差し引かれる源泉所得税

従業員へ給与を支給する場合には、支給額に対する源泉所得税を給与額から差し引く必要があります。給与額が仮に20万円として対象となる源泉所得税額が6千円とすると、会社は給与額から、6千円を預かり差額の19万4千円を支払います。預かった源泉所得税は個人の代わりに国へ納めます。

この対象となる源泉所得税は、個人の状況によって異なり、税務署より届く、「源泉所得税のあらまし」に記載されている等級表によって確認を行います。

士業に対する報酬の支払いに発生する源泉所得税

給与以外にも源泉所得税の預かり義務があるものがあります。
その一つに、士業への報酬の支払いがあります。士業とは、税理士、弁護士、司法書士、公認会計士等を指し、対象の士業に対して報酬を支払った場合に、定められた源泉所得税を会社が預かり、納める必要があります。

源泉所得税の額は、ほとんどの士業が100万円までの報酬であれば、10.21%となりますが、司法書士の場合には計算方法がことなりますので注意が必要です。
また、行政書士の場合には源泉所得税の預かり義務がありませんので、発生しません。

源泉徴収早見表

総支給額 源泉徴収(復興税) 手取額
10,000円 1,021円(21円) 8,979円
50,000円 5,105円(105円) 44,895円
100,000円 10,210円(210円) 89,790円
500,000円 51,050円(1,050円) 448,950円
1,000,000円 102,100円(2,100円) 897,900円
総支給額 源泉徴収(復興税) 手取額
1,500,000円 204,200円(4,200円) 1,293,700円
2,000,000円 306,300円(6,300円) 1,691,600円

また、上記の表のように100万円を超える報酬を支払う場合には、超えた部分において20.42%を預かる必要があります。

個人への報酬の支払いに発生する源泉所得税

個人のへの報酬の支払いが発生した場合においても、源泉所得税の預かり対象となります。また、特定の業種に該当する個人及び個人事業主に対して報酬を支払う場合にも同様に源泉所得税を預かる必要があります。具体的には、カメラマン、作曲家、ライター、タレントやデザイナー等がその対象となります。

様々な業種が対象となるため、税務署より発行されている「源泉所得税のあらまし」という冊子にて対象事業者を確認しておきましょう。

また気をつけたい点として、作業の内容によっては区分が異なる場合があります。例えば、会員サイトを依頼した場合に「ホームページデザイン制作及びシステム開発」を依頼したとします。この場合、ホームページデザイン部分は源泉所得税の預かり対象となりますが、システム開発部分においては対象外となります。実際には、作業内容の範囲を把握した上で、税理士にどの区分が正しいか確認を行ってください。

源泉所得税の預かりが必要となる主な業種の種類と範囲は以下の通りです。

源泉所得税の預かりが必要となる主な業種の種類と範囲

  • ・原稿料
  • ・デザイン料
  • ・講演料
  • ・技芸、スポーツ、知識等の教授、指導料など
  • ・芸能、ラジオ放送及びテレビジョン放送の出演、演出等の報酬、料金
  • ・事業の広告宣伝のための賞金

個人として事業活動されていても、源泉所得税を差し引かれることを知らずに活動している方が多くいます。また、個人事業主の届け出を出しているかの有無も重要となりますので事前に確認を取りましょう。士業の請求書には源泉所得税欄が設けられていますが、業種によっては請求書に記載がない場合があるので、注意が必要です。

外注先へ依頼を行う場合には、事前に源泉所得税を預かる必要があるかを相互に確認を行い、可能であれば実際に差し引いた場合の支払額もあらかじめ提示しておくと、徴収のし忘れやトラブルを防げるでしょう。

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