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2014/11/10
年末年始は年末調整がある為、一年の中でも経理や総務担当者がばたばたと忙しくなる季節です。
今回は、年末調整の手続きが始まる前に確認しておきたいポイントです!
「扶養控除」をご存知でしょうか。「扶養控除」とは家族(親族)で生計を一にしている場合に年齢や親族の所得状況等が条件に該当している場合に所得控除を受けられる制度のことをいいます。
「控除」といっても、所得税の「扶養控除」から「社会保険の控除」等もありますが、今回は「扶養控除」について確認していきたいと思います。
扶養控除を所得税でみた場合には年末時点でこの扶養親族が何名いるかによって、その年の控除額が変わってきます。扶養親族が多いほど、控除額も大きくなってきます。
月次に給与から差し引く所得税を計算するには、税額表を確認します。税額表の行で給与の等級を確認して列で扶養人数を確認します。行と列が重なる部分が所得税の金額になります。図の通り扶養人数が多い程、所得税の税額が低くなります。
(平成26年分 源泉徴収税額表)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2013/01.htm
上記のように月次で支払っている所得税は、概算での仮の支払いとなります。年末調整では、最終的な所得金額を基に調整を行います。結果、概算より所得が多ければ追加で納付。少なければ還付になります。
前述の通り、扶養人数が1名増える、または減ると税額が大きく変わってきます。多くの場合、前年の年末調整のタイミングで扶養控除申告書を提出している為、1年間の家族の状況によっては、扶養人数が変わってきます。
「子供が勤め始めた為、扶養から外れた」「両親が退職して、扶養することとなった」等、必然的な理由の場合は予定とズレるのはしかたないでしょう。
気をつけたいのは、扶養の予定だったのに気がついたら所得が多く、扶養から外れていた場合や扶養者がいたのに漏れていた等です。
手続きをする前に、扶養親族について確認しておきましょう。
控除対象となる扶養親族は扶養親族の内、16歳以上(年末時点)の人となります。その内で以下の条件に該当する場合に対象となります。
3の合計所得金額は、「給与収入のみの場合は103万円以下」になります。また、老齢年金のみの所得の場合には「65歳未満の場合108万円以下」、「65歳以上の場合158万円以下」となります。
扶養者というと配偶者や子供のイメージがありますが、必ずしも配偶者や子供とは限りません。条件の1、でいう6親等の血族とは、親や子、孫から叔父等にあたります。また、3親等内の姻族とは子の配偶者や配偶者の両親等が含まれます。両親と同居されている方などは、対象となる可能性もあるでしょう。
また、上記の条件では同一の生計という条件はありますが、同居という制限はありません。別々に住んでいる親族であっても、生活費の面倒をみている場合には、対象となる可能性があります。確認してみましょう。
結婚をされている場合には、「配偶者控除」または「配偶者特別控除」を受けられる可能性があります。まず、ここで対象となる「控除対象配偶者」の4つの条件を確認しておきましょう。
「配偶者控除」の場合、給与収入が103万円を超えている場合には、対象外となります。その場合でも、一定額までの給与支給であれば「配偶者特別控除」を受けられる可能性があります。
「配偶者特別控除」の条件を確認してみましょう。
給与収入が104万円を超えると扶養者から外れます。その場合、扶養者による所得控除は受けられなくなります。
扶養控除申告書は1年前の年末調整時に今年分として提出をしていると思いますが、その申請書に仮に扶養人数を2名と記載していたとします。扶養親族の1名が今年働き始め、年末時点で110万円稼いでいたとします。その場合には、扶養者は1名となります。知らないまま2名で届出をしてしまうと誤りの為、修正が必要となってしまいます。
年末までに下記のポイントを事前に確認しておきましょう。実態より扶養人数が多くても、少なくても問題です。
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