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2014/11/04
働いた対価としてもらう給与ですが、給与に関連する言葉で「額面」「手取額」という言葉があります。皆さんは「額面」「手取額」がわかりますでしょうか?
「振り込まれた金額=手取り」だと思った方、少し違うかもしれませんよ!
今回は「給与の手取額と額面」がテーマです。
基本給や手当など、働いた対価として受け取る報酬額の合計金額を「総支給合計」とよび、総支給合計のことを「額面」といいます。「手取額」は、この総支給合計から社会保険料や所得税等が差し引かれて残る金額の事を「手取額」とよびます。
一般的に給与から差し引かれる項目としては、「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「所得税」「住民税」の5つです。給与が支給される時に、上記の5つのいずれかのみが差し引かれている場合には、振込まれた「給与額=手取額」となるでしょう。
では、振込まれた「給与額=手取額」とならない人はどんな人でしょう。
生命保険料や損害保険料を給与天引きしている人等は、個人が支払うべき保険料を会社が一時的に代納し、給与から差し引いています。その為、手取額より少ない金額が振り込まれます。
多いのが立替交通費です。通勤交通費として定期代等が支給されている場合には、通勤手当となり給与の一部となる為、手取額となります。通勤交通費と別に、取引先へ出向いた往復の立替交通費等を月でまとめて精算している場合には、立て替えていた金額の精算の為、手取額に立替えていた金額が加算され、振り込まれます。
額面と手取額を具体的に見てみるとどうなるでしょう。
仮に「設立 太郎」さん(基本給35万円、扶養者なし、40歳未満)の場合で見てみましょう。
額面だけに意識を向けて保険料を設定してしまうと、数年後手取り額が想定以上に減っている可能性があります。社会保険料や厚生年金等の料率は、改定時期によって増えることが多い為、改定時期を向かえるたびに手取り額が減少していきます。
また、新卒採用した従業員の場合、初年度は前年所得の関係で住民税が引かれない場合があります。2年目は1年目の年収に基づいて住民税が引かれるため、手取り額が大きく変動します
1年目と3年目では、額面が一緒でも手取り額に差が出てしまうことがある為、給与額を定める時には「手取り額」への意識も重要になります。
役員報酬や従業員の給与額を決める時には、額面の金額も当然大事ですが、手取額にも目を向けておきましょう。額面を設定をしたままで安心していると想定以上に社会保険料等が差し引かれてしまい、手取額が少ないという結果になりかねません。
また、健康保険、厚生年金等は同じ等級であっても年々金額が変動していきます。住民税を天引きしている場合には前年の所得額に応じて変動するため、給与設定をした数年後に気がついたら手取額が減少しているということもあります。
「額面」と「手取額」の関係、把握しておきましょう。
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