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取締役の任期と重任の登記

2014/10/02

取締役の任期と重任の登記

取締役の任期と重任の登記

会社の運営を行う取締役ですが、任期があるのをご存知でしょうか?ニュースでやっているような、大規模な株主総会を開く会社は株主総会で取締役を決めたり、代表取締役を解任したりと話題になるので、なんとなく任期があるのかな?と思うかもしれません。

実際には、株式会社の取締役には必ず任期があります。1人で出資をして始めた会社で、出資者がそのまま代表取締役に就任しているような、会社であっても同様です。
注意点も色々とあるので、要点だけでも確認しておきましょう。

定めることのできる就任期間は?

取締役の任期は、最初は株式会社を設立する時に定款で定めます。
下記のように定めた場合、会社の設立日から任期の期限まで取締役は就任することになります。尚、就任期間を特段定めない場合には、任期は2年となります。

期限が来て任期を満了した場合にそのまま継続して取締役を続ける場合には、株主総会で再度就任をする決議を行い、その後、法務局に「重任の登記」の手続きを行います。

  • <実際の定款記載例>
  • (取締役の任期)
  • 第**条  取締役の任期は、選任後●年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
  •    2  任期満了前に退任した取締役の補欠又は増員として選任された取締役の任期は、前任者または他の在任取締役の任期の残存期間と同一とする。

取締役の任期は会社法で最長10年という定めがあります(公開会社でない場合)。役員の任期を10年とすると定めてしまえば、長い期間就任することが出来て「重任の登記」も必要ないため問題がないようにも思えますが、会社によっては大きなリスクとなる可能性があります。

会社の状況を考えて適切な任期を設定しましょう。任期の定めは下記を参考にしてみてください。

取締役の任期を長くしてもリスクの少ない会社

役員の任期8~10年

出資者が自身一人で始めた会社の場合や、身内の方だけで経営する会社の場合には、ある程度長い任期を設定していても大丈夫でしょう。但し、その場合でも下記のリスクを考慮した上で、判断が必要です。

取締役の任期を長くしても5年程度にした方が良い会社

役員の任期5年程度

気をつけたいのが友人同士で会社を立ち上げた場合です。設立当初は人間関係に問題はないと考えられます。しかし、事業を始めるとどうしても人間関係等がうまくいかないこともあります。

取締役を一方的に解任し、解任された取締役の任期が残っている場合、解任された取締役から残っている任期分の役員報酬の請求を求められる場合も考えられます。

取締役の任期を2年程度にした方が良い会社

役員の任期2年程度

取締役のが大勢いる場合には、極力任期は短く設定しておいた方が良いでしょう。リスクとしては上記の通りです。

また、取締役に辞めてもらう手段としては解任だけではありません。任期が満了しても更新をしないということも出来ます。良好な関係を保ちつつ辞めてもらう場合には、任期満了で辞めてもらう方が、角が立たないでしょう。

期間の定め「○年以内に終わる決算月」

取締役の就任期間ですが、「○月○日までの就任です」と定めるわけではありません。実際には「取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。」といった定めになります。その為、決算月が変更になった場合には任期の満了月も変わってくるため注意が必要です。

取締役の任期が満了となったら、すぐに届出

役員の就任期間が満期となり、そのまま継続する場合には「重任の登記」が必要となります。取締役に再度、継続して就任するということを法務局へ届け出ます。

株式会社の設立時は、定款で任期を定めるため覚えていますが、実際に任期が満了となるのは、数年先になります。忘れることのないように、決算期を迎えたら、任期が終わっていないか確認をするようにしましょう。

気が付いたら、期限が過ぎていた時は!?

気を付けてはいても、気がついた時には既に任期が終わっていたということはあります。その場合には、速やかに法務局へ届け出ましょう。長期の間に重任の登記を怠った場合などには過料(罰金)の請求をされる場合もあるので、注意が必要です。

定める時も大事ですが、決算期毎に就任期間が過ぎていないかの確認も重要です。

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